シューベルトの名曲をます以外にいくつ知っていますか?隠れた名曲を紹介!
こんにちは、今回はシューベルトの名曲について紹介していきたいと思います。
シューベルトの有名な曲といえば、一番に思い浮かぶのは「ます」ではないでしょうか?
しかし、「ます」以外にもシューベルトはたくさんの名曲を残しています。
今回は、その名曲たちを演奏形態問わず7曲紹介していきたいと思います。
シューベルトの名曲をあらゆる演奏形態から7つ紹介!
・アヴェ・マリア
「シューベルトのアヴェ・マリア」とも呼ばれていますが、聖母マリアを讃えるための宗教音楽ではありません。スコットランドの抒情詩「湖上の美人」のドイツ語訳に、シューベルトが曲をつけたのです。主人公のエレンが、父の罪を許してほしいと、湖のほとりで聖母マリアに祈る歌です。心が洗われるような伸びやかなメロディが、聴く人の心を優しく包み込みます。
・セレナーデ
シューベルトの死後に出版された歌曲集「白鳥の歌」の1曲です。セレナーデとは、夕暮れに男性が女性の家の窓辺の下で、求愛する歌のことです。このセレナーデは、シューベルトが亡くなる年に作曲されました。恋人よ、どうかこちらへ来てほしい、と歌う、切なさに溢れた曲です。
・ます
シューベルトの歌曲の中でも、特に人気がある曲です。1番では元気に泳ぎまわるマスの様子を、2番では漁師がこのマスを狙う様子を、明るく歌います。しかし3番では曲調が暗くなり、マスが釣り上げられる場面がドラマチックに歌われます。漁師がわざと川を濁らせると、あっという間にマスを釣ってしまうのです。しかし歌詞の裏には、「こうやって男性は女性をだますものだから、気をつけなさい」という意味が隠されています。シューベルトはこの歌曲のメロディを、ピアノ五重奏曲「ます」の第4楽章にも用いて、変奏曲にしています。こちらも名曲として愛されています。
・魔王
ゲーテの詩に作曲した歌曲です。嵐の夜、父親が病気の息子を抱えて馬を走らせます。すると魔王が現れ、息子を誘惑するのです。おびえる息子、魔王が見えない父親、そして魔王の3人が順に歌い、ドラマチックに展開していきます。最後は、父の腕の中で息子が息絶えていた、という衝撃的な結末で終わります。最大の魅力は、1人の歌手が、語り手、魔王、父親、息子の4役を歌い分けることです。ピアノの連打で馬が走る様子を表すなど、ピアノ伴奏者にも高度な技術が必要とされる難曲でもあります。
・即興曲第2番
4曲残した即興曲の1つです。31歳で亡くなる前年に作曲されました。滑らかに2オクターブを流れ落ちるようなメロディに始まり、重厚な中間部が現れた後、再び最初のメロディが演奏されます。即興曲や「楽興の時」など、シューベルトは優れたピアノの小品を残しましたが、それらはロマン派のピアノ作品に大きな影響を与えました。
・交響曲第7番「未完成」
音楽家協会から名誉会員の称号を受け取ったシューベルトが、お礼として交響曲を作り楽譜を送ります。ところが、なぜか第1楽章と第2楽章の楽譜しかありませんでした。一般的に、交響曲は4つの楽章で構成されます。シューベルトは第3楽章にも着手していたようですが、他の交響曲を作り始めてしまいます。なぜ未完成のまま終わったのかは、今も明らかになっていません。楽譜は37年間保管されたままになり、シューベルトの死後に初演されました。不穏な雰囲気で包まれた第1楽章と、ゆったりとした第2楽章からなる交響曲は、コンサートで演奏されることも多く、未完成ながらシューベルトの代表作です。
・弦楽四重奏曲第12番
第1楽章が完成されましたが、第2楽章はスケッチのままで終わり、こちらも未完成の作品です。シューベルトの作品には未完成の曲が多く残されています。第1楽章がシューベルトの死後に初演されました。緊張感がみなぎる美しいメロディであることから演奏される機会も多く、まれに第2楽章も演奏されます。
シューベルトの名曲まとめ
いかがでしたでしょうか?
シューベルトは「ます」以外にも名曲をたくさん残していることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
是非これを機に皆様もシューベルトの音楽の魅力に、そして彼のもつ世界に入り込んでみてくださいね。