優しい音色が魅力的なクラリネットは、多くの人に愛されています。オーケストラでも使用され、吹奏楽ではバイオリンの代わりとなるためたくさんの演奏者がいますね。
そんなクラリネットですが、「いつ、どこで出来たんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
今回はクラリネットの歴史について解説します。
それでは見ていきましょう。
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クラリネットの誕生はドイツ人の楽器製作者
クラリネットは1700年代、ドイツ人の楽器製作者ヨハン・クリストフ・デンナーによって製作されたと言われています(所説あります)。
当時は「シャリュモー」というリコーダーのような類似の楽器が使われていましたが、シャリュモーは音域が狭く、低音が中心の楽器でした。
そこにデンナーがシャリュモーキィを取り付けたことにより、高音を出すことに成功しました。
この時の音が、当時の小型トランペットである「クラリーノ」という楽器に似ていたため、クラリネットと名づけられました。
進化していくクラリネット
生まれた当初は2つのキィしかなかったクラリネットですが、3つ、6つとだんだんキィが追加されていき、1812年にドイツ人のミュラーにより13個のキィが取り付けられ、「ミュラー式クラリネット」へと進化しました。
そして、1900年代にこのミュラー式クラリネットを基礎として、ドイツ人のオスカル・エーラー(ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の創始者の1人)が「エーラー式クラリネット」を発明しました。
ミュラー式クラリネットには特定の音の鳴りが悪かったり、音程が取りにくいなどの欠点がありましたが、エーラー式クラリネットではそれらが補正され、よりクラリネットが世に発展しました。
エーラー式クラリネットは「ドイツ管」と呼ばれ、少し暗めで艶のある音色が特徴です。現在もドイツ周辺で使用されています。
1893年にフランス管が誕生
一方フランスでは1839年、クラリネット奏者であるクローゼと、ビュッフェ・クランポン社の楽器製作者ビュッフェが、「ベーム式クラリネット」を発明しました。
ベーム式とは当時フルートの改良をするために開発されたシステムですが、これをクラリネットにも応用したことによって、ミュラー式では困難であった運指がスムーズになり、音程も安定して取ることが出来るようになりました。
ベーム式クラリネットは「フランス管」と呼ばれ、その扱いやすさから今では世界中で愛用されています。
フランス管のクラリネットは明るく華やかな音色が特徴です。現在日本にあるクラリネットも、ほとんどがこのフランス管です。
クラリネットの歴史:まとめ
クラリネットは、今の姿になるまでさまざまな変化を遂げてきました。
近年では、クラリネットの材料となる木が伐採によりどんどん減ってきているそうです。
このまま木がなくなってしまうといつか木のクラリネットが無くなる日が来るかもしれません。
クラリネットを吹いてる方は、今使っているクラリネットを大切に扱ってあげてくださいね。