「クラシック音楽」と聞くと「堅苦しい」「とっつきにくい」などのイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、クラシック音楽には、知れば知るほど魅せられる奥深さがあふれています。
そこで、ここではクラシック音楽の概要や歴史を分かりやすく解説していきます。
クラシック音楽に興味をお持ちの方は、ぜひチェックしてみてください。
クラシック音楽とは何かを簡単に説明!
クラッシック音楽とは、長い歴史を持つ西洋の芸術音楽を指す言葉です。
具体的にはバロック音楽から近代音楽までをクラシック音楽と呼ぶことが多いとされています。
「クラシック」という言葉は、ラテン語で「一流の」という意味を持つ「class(クラス)」に由来しています。
それが転じて、音楽や文学などの芸術作品においては「古典」「格式のある」という意味でも用いられるようになったのです。
クラシック音楽の歴史は5つに区分することができる!
クラシック音楽の歴史は、大きく分けると、次の5つの時代に分類されます。
- バロック音楽
- 古典派音楽
- ロマン派音楽
- 印象主義音楽
- 近代音楽
それぞれの時代について見ていきましょう。
クラシック音楽の基礎【バロック音楽】
バロック音楽は、16世紀末から18世紀前半にかけて広まった音楽の総称です。
ドイツの音楽者クルト・ザックスは、バロック音楽を「彫刻や絵画等と同じように速度や強弱、音色などに対比があり、劇的な感情の表出を特徴とした音楽」と定義づけています。
一方、この時代の音楽にはさまざまなスタイルのものが存在し、バロック音楽の特徴を一つに統括するのは難しいともされています。
また、フランスでは、この時代の音楽をバロック音楽と呼ばず「古典フランス音楽」と呼ぶこともあります。
バロック音楽の代表的な作曲家は?
バロック音楽の代表的な作曲家は以下の通りです。
- アントーニオ・ヴィヴァルディ(代表作:ヴァイオリン協奏曲集「四季」)
- ヨハン・セバスティアン・バッハ(代表作:G線上のアリア)
【古典派音楽】クラシック音楽として今でも一定の人気を誇る
古典派音楽は、18世紀前半から19世紀前半にかけて広まった音楽の総称です。
この時代は、ヨーロッパで主流となっていた啓蒙思想(聖書・神学など従来の権威ではなく理性を重視する思想運動)を背景に、楽曲全体のつりあいや合理的な展開が重んじられ、序章・提示部・展開部・再現部・結尾部からなるソナタ形式が発展しました。
また、交響曲・協奏曲・弦楽四重奏曲などが盛んに作られた時代でもあります。
古典派音楽を代表的するクラシック音楽の作曲家は?
古典派音楽の代表的な作曲家は以下の通りです。
- フランツ・ヨセフ・ハイドン(代表作:交響曲第45番「告別」)
- ヴォルフガング・アマデーウス・モーツァルト(代表作:ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲」)
【ロマン派音楽】クラシック音楽として一番有名でイメージしやすい時代
ロマン派音楽は、古典派音楽をロマン主義(啓蒙思想的な理性偏重・合理主義に対して感受性や主観を重視した精神運動)の精神により発展させた、19世紀の音楽の総称です。
理想・感性・夢など、本来人間が備えている感情に重きをおき、それらをテーマにした名作が数多く生み出されました。
数世紀に渡るクラシック音楽の歴史において、現在まで愛され続ける名曲が最も多く輩出された時代とも言えます。
ロマン派音楽を代表的するクラシック音楽の作曲家は?
ロマン派音楽の代表的な作曲家は以下の通りです。
- フランツ・シューベルト(代表作:魔王)
- フレデリック・ショパン(代表作:ポロネーズ第6番「英雄」)
- フランツ・リスト(代表作:「愛の夢」第3番)
- ヨハン・シュトラウス二世(代表作:「美しく青きドナウ」)
- リヒャルト・ワーグナー(代表作:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」)
- ヨハネス・ブラームス(代表作:ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」)
ベートーヴェンの主な代表作
また、古典派からロマン派への橋渡しをした作曲家として、「楽聖」とも呼ばれるルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの存在も忘れてはなりません。
交響曲第5番「運命」
交響曲第9番「歓喜の歌」
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
ピアノ・ソナタ第14番「月光」
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
【印象主義音楽】ロマン派でも古典派でもない新しいクラシック音楽
印象主義音楽は、20世紀初頭のフランスで広まった音楽の総称です。
ロマン派音楽に見られる「人間の持つ感情の表現」よりも、気分・雰囲気などの表現に重きをおいた音楽様式が特徴とされています。
また、中世西洋音楽、ルネサンス音楽など、バロック音楽以前の様式の影響を受けているのも、特筆すべき点の一つです。
印象主義の代表的な作曲家は?
印象主義音楽の代表的な作曲家は以下の通りです。
- クロード・ドビュッシー(代表作:ベルガマスク組曲「月の光」)
- モーリス・ラヴェル(代表作:「ボレロ」)
【近代音楽】玄人向けのクラシック音楽?
近代音楽は、20世紀初頭から第二次世界大戦終結頃までの音楽の総称です。
それ以降の音楽は「現代音楽」と呼ばれます。
しかし、近代音楽と現代音楽の境目にはさまざまな議論があり、近代音楽の終わりを1950年までとする意見や、近代音楽と現代音楽を分けずに20世紀以降はすべて現代音楽とする意見もあります。
近代音楽の代表的な作曲家は以下の通りです。
- エリック・サティ(代表作:「3つのジムノペディ」)
- アラム・ハチャトゥリアン(代表作:バレエ「ガヤネー」より「剣の舞」)
- バルトーク・ベーラ(代表作:ピアノ協奏曲第3番)
クラシック音楽の深い魅力【まとめ】
クラシック音楽の概要や歴史について、ここまで見てきました。
クラシック音楽には、時代の変化に囚われない普遍性や、楽器本来の美しい響きを堪能できる構成など、さまざまな魅力があります。
「クラシック音楽を聴いてみよう」とお考えの方は、上記にご紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。