今回は、クラシック作曲家の中でもっとも有名な人物といっても過言ではないであるベートーヴェンについて解説していきたいと思います。
ベートーヴェンといえば音楽室に貼ってある肖像画で見たことのある人が多いのではないでしょうか?
本名はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンといい、ドイツ生まれの作曲家です。(当時はドイツではなく、神聖ローマ帝国でした)
時代区分は古典派に分類されますが、後期の作品ではロマン派音楽の先駆けているとも捉えられます。
また、作曲家だけでなくピアニストとして活動していたことも有名であり、ピアノ曲ではピアノソナタを多く残しています。
ピアノソナタで一番有名なのは「悲愴」の二楽章でしょうか。
アニメや映画、現代でもポピュラーアレンジは多くされ、おそらく誰もが一度は聞いたことがあるメロディかもしれません。
現代でも愛されているメロディが200年以上も前に作られたと思うとかなり感慨深いですね
ピアノソナタ以外だと交響曲第九番の四楽章も、必ずどこかしらで聞いたことがあるのではないでしょうか?
3つに分類されるベートーヴェンの作風
ベートーヴェンでは主に作風が 初期 中期 後期 の3つに分類されます。
ベートーヴェンといえば、耳が聞こえなくなってしまった作曲家と覚えられていることが多いようです。
しかし、実際に耳が聞こえなくなったのは20代後半であり、「初期」の段階では難聴に悩むことなく作曲できていました。
産まれたときから難聴だったわけではないため、正常に聞こえてた時期が存在するのです。そのため、難聴になった後も作曲の筆を止めることなく、書き続けることができました。
また、耳が聞こえなくなったと音楽の授業で習った方は多いのではないかと思われますがしかし実際には難聴であるため、かすかな音は聞こえていたようです。
ベートーヴェン音楽性の特徴
ベートーヴェンと聞いて、やはり一番に思い出すのはジャジャジャーンの運命でしょうか。
実はこの「運命」とは交響曲第五番の副題ではないのです。今でこそ運命といえばこの曲が思いつきますが、実際は後から運命の交響曲であるとして呼ばれている名称というだけなのでこの曲が正式なタイトルではありません。
音楽を専門に学んでいる人間であれば、このように後から付けられたタイトルだけで曲を呼ぶのは嫌う人が一定数います。その人たちは「第五番」などと正式名称を呼び、曲を区別することが多々あります。
この運命は、ハ短調で始まり4楽章はハ長調で終わります。
短調から長調に行くという表現は、暗闇から光を見つけ出し前に進んでいくという「暗→明」を効果的に表現することができます。
この仕組みは後の作曲家に大きな影響を与えており、ベートーヴェンが最初に試みた暗→明という仕組みはクラシック音楽の中で規範となっていきました。
ベートーヴェンは暗い曲ばかりではない!
同年代に活躍したモーツァルトと比較すると、モーツァルトは明るくてベートーヴェンは暗いなんて言われ方をします。
限定的にフォーカスを当てるのであればその解釈を間違いということはできませんが、絶対に正しいとも言い切れないのです。
なぜなら先述のように、暗→明の力強い音楽を率先して産み出したりするなど生きることに対する活力を音楽で表現しようとしたからです。
もしベートーヴェンの音楽は暗いんだ!と思っている方がいらっしゃいましたら、明るいベートーヴェンの音楽も聴いてみてください。
暗くて重々しいと思っていたベートーヴェンの意外な一面を聞くことができるかもしれません。
明るいベートーヴェンの音楽
・交響曲第七番
・交響曲第九番
・ヴァルトシュタイン