クラシック音楽の作曲家を、あなたは何人思い出せますか?
クラシック音楽の長い歴史の中で、たくさんの作曲家たちが数々の名曲を生み出してきました。
今回は、その中でもクラシック音楽界を代表する有名な作曲家たちを紹介します。
そもそもクラシック音楽とは?
クラシック音楽とは、主に17〜20世紀頃、ヨーロッパを中心に演奏されていた西洋音楽を指します。
でも、昔の音楽ってなんだかお堅い雰囲気でむずかしそう…•。
そんなふうに感じてはいませんか?
しかし大丈夫ですよ、クラシック音楽は決してむずかしいものではありません。
それでは、クラシック音楽をもっと楽しむために、作曲家たちが活躍した時代について一緒に見ていきましょう!
クラシック音楽の歴史を簡単に紹介
現代の音楽にもはやりすたりがあるように、何百年と続くクラシック音楽の世界にも、時代により音楽の流行がありました。
その時代と音楽を大まかに分類したのが「古典派」や「ロマン派」といった総称です。
世界にはさまざまな音楽の歴史がありますが、クラシック音楽は現代の音楽にも多大な影響を与えたと言っても過言ではありません。
クラシック音楽を楽しむために、勉強から始める必要はありませんが、少しでも歴史を知っておくと、曲にこめられた作曲家の思いや時代背景がわかり、もっと楽しく聴けるようになりますよ!
時代と音楽を大まかに分類すると「バロック音楽」「古典派」「ロマン派」「印象派」がある
有名な作曲家は古典派〜印象派に集中している
私たちが普段よく耳にする「クラシック音楽」を作った作曲家は、そのほとんどが古典派〜印象派に集中しています。
中でもロマン派の時代には、とても多くの優れた作曲家たちが誕生しました。
彼らの生年を調べてみると、たった一世紀ほどの間に、有名な作曲家がこんなにも生まれているのかときっと驚くはず。
さて、あなたの知っているクラシック音楽の作曲家は、どの時代の作曲家でしょう?
誰もが知っている有名作曲家10人!
それでは、誰もが知っている・名前を聞いたことがあると思われる有名作曲家を10人厳選して紹介します。
時代と音楽の関係がわかりやすいように作曲家の生年順、また楽曲名は通称で掲載しています。
バッハ 【クラシック音楽の父】
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)
17〜18世紀のバロック音楽時代を代表する「音楽の父」バッハ。
生涯で1000曲以上作曲したと言われているドイツ生まれの作曲家です。
宮廷の上品で優雅なイメージの曲や、教会の重厚かつ神々しい雰囲気の作品を数多く残しました。
どの曲も、タイトルを見てピンとこなくても、メロディを聴けばきっとなじみのある曲のはず。
そんなバッハの音楽は、クラシック音楽の基礎部分を作ったとされており、後世の音楽文化に多大な影響を与えています。
《バッハの代表的な曲》
「トッカータとフーガ」「G線上のアリア」「主よ、人の望みの喜びよ」など
バッハはクラシック音楽の基礎を作った「音楽の父」
モーツァルト【貴族としてのクラシック】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
クラシック音楽界の天才作曲家と呼ばれる、古典派の時代を生きたモーツァルト。
現代でも絶大な人気を誇り、クラシック音楽を語る上で彼の名前は欠かせません。
幼少期から神童と呼ばれ、35歳という若さで亡くなってしまいましたが、彼の音楽は誰もが耳にしたことがある曲ばかり。
そんなモーツァルトの曲の特徴は明るい曲が多く、華やかで優雅なイメージ。
彼の有名曲を聴きながら、謎に満ちた生涯を垣間見られる、映画「アマデウス」もオススメです。
近年では、モーツァルトの楽曲を聴く音楽療法「モーツァルト効果」も、健康や頭に良いと注目されています。
《モーツァルトの代表的な曲》
「アイネクライネナハトムジーク」「トルコ行進曲」「フィガロの結婚」など
神童と名高かったモーツァルトの旋律は「華やかで優雅」
ベートーヴェン【音楽の教科書でも有名】
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
モーツァルトと同じく古典派を代表するドイツの作曲家ベートーヴェン。
おそらくクラシック音楽に興味がなくあまり聴かない人でも、その名前を聞いたり、肖像画を見たりしたことがあるでしょう。
幼少期から神童と言われたモーツァルトとは対照的に、ベートーヴェンは自身の並々ならぬ努力でのし上がり、名作を作り続けました。
若い頃からの難聴が悪化し、最後は完全に聞こえなくなっても作曲を続けた不屈の芸術家です。
特にピアノ曲や、オーケストラで演奏される交響曲で、数多くの名曲を残しています。
中でも、ベートーヴェンの9番目にして最後の交響曲「歓喜の歌」は、年末に「第九コンサート」として開催されており、日本人にとっても馴染み深い曲だと言えるでしょう。
《ベートーヴェンの代表的な曲》
「エリーゼのために」「運命」「月光」「歓喜の歌」など
ベートーヴェンは難聴に負けず作曲を続けた不屈の作曲家
チャイコフスキー【クラシック音楽ファンの中でも不動の人気】
ピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)
チャイコフスキーといえば、バレエ音楽を思い出す人も多いのではないでしょうか。
特に「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」といった作品の楽曲は、実際に聞いてみると聴き覚えのある曲ばかりだと思います。
ロマン派であるチャイコフスキーの音楽の特徴は、とにかく美しく心に響くメロディーだということ。
わかりやすくて聴きやすい楽曲が多いので、クラシック初心者の方にもオススメしたい作曲家のひとりです。
《チャイコフスキーの代表的な曲》
「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」など
チャイコフスキーのバレエ音楽は美しく心に響くメロディー
シューベルト【クラシック音楽の中でも歌曲王】
フランツ・シューベルト(1797-1828)
ウィーンの作曲家、シューベルトは31歳という若さでこの世を去りました。
そんな彼が生涯で残した1000曲ほどのうち600曲は歌曲であると言われ「歌曲の王」という名前でも呼ばれています。
代表曲のひとつでもある「魔王」は、中学校の音楽鑑賞の題材にも選ばれているので、聴いたことがある!という方も多いのではないでしょうか。
数多く作られた歌曲とは別に、未完成で終わってしまった「交響曲第7番」というオーケストラ曲も大変美しく人気のある楽曲です。
《シューベルトの代表的な曲》
「子守唄」「野ばら」「ます」など
シューベルトは31年の短い生涯で1000曲という多くの曲を残した「歌曲の王」
ショパン【CMにも多用されるクラシック】
フレデリック・ショパン(1810-1809)※生誕年については諸説あり
作曲家でもあり、ピアニストでもあったショパン。
ロマン派を代表する音楽家で、その作品のほとんどがピアノ曲です。
「ピアノの詩人」とも呼ばれており、彼の名を冠した「ショパン国際ピアノコンクール」は、ピアニストを目指す人たちのあこがれの舞台といっていいでしょう。
現代の日本でも、TV CMやドラマなどに使われることが多いショパンの楽曲。
そのロマンチックかつ繊細な旋律が心に残るという人が多いのもうなずけます。
《ショパンの代表的な曲》
「別れの曲」「幻想即興曲」「革命のエチュード」など
ショパンのロマンチックかつ繊細な旋律はまさに「ピアノの詩人」
リスト【ピアノの魔術師として名高い】
フランツ・リスト(1811-1886)
ショパンの友人でありライバルでもあったピアニストのリストも、華やかで力強く難易度が高いピアノ曲を残しています。
その高すぎるテクニックから「ピアノの魔術師」とも呼ばれることも。
力強すぎる演奏に耐えきれずピアノが壊れたという話や、リストの演奏を聴いて観客が気絶したという話など、彼の演奏にまつわる数々のエピソードも残されています。
また、パガニーニの曲をリストがピアノ用に編曲した「ラ・カンパネラ」はとても人気があり、ピアノを弾いている人にとって一度は弾いてみたい!と思う一曲ではないでしょうか。
《リストの代表的な曲》
「ラ・カンパネラ」「愛の夢」「ハンガリー狂詩曲」など
リストの力強く難易度の高いピアノ曲は、自身の演奏でピアノが壊れるほど
ブラームス【ベートーヴェンを大尊敬】
ヨハネス・ブラームス(1833-1897)
時代的にはロマン派を生きたブラームスですが、ベートーヴェンを尊敬し古典派の音楽を追求した作曲家です。
そのため、ブラームスの楽曲はロマン派に属しながらも、古典派の音楽性が色濃く現れ「新古典派」と呼ばれることも。
ブラームスが作曲した「交響曲第1番」は、ベートーヴェンの交響曲を継ぐ作品だと高い評価を得て「ベートーヴェンの交響曲第10番」とも称されています。
気品と風格が漂い深みのあるメロディーから「秋に似合う音楽」と言われることも多いブラームスの作品。
秋の夜長のおともに、ぜひブラームスの楽曲を聴いてみてくださいね。
《ブラームスの代表的な曲》
「ハンガリー舞曲」「ブラームスの子守唄」「交響曲第1番」など
ブラームスはベートーヴェンを崇拝し「新古典派」を樹立した
ドビュッシー【新しいクラシック音楽を拓いた】
クロード・ドビュッシー(1862-1918)
印象派の音楽は、フランスの作曲家ドビュッシーから始まったと一般的に言われています。
感情の表現を重んじるロマン派音楽に比べ、雰囲気や情景を表現したドビュッシーの音楽は、さながら絵画のよう。
楽曲のタイトルも、まるで絵画を想像させるような題名が多くつけられているんですよ。
中でも有名なピアノ曲「月の光」は、幻想的な雰囲気が音楽で表現されています。
美しく流れる旋律を聴いていると、月光が優しく降り注いでいる情景がきっと目に浮かぶはず。
《ドビュッシーの代表的な曲》
「月の光」「亜麻色の髪の乙女」「アラベスク」など
ドビュッシーはまるで絵画のように雰囲気や情景を音で表現した
ラヴェル【クラシック音楽界の天才】
モーリス・ラヴェル(1875-1937)
ラヴェルは、ドビュッシーと同じ印象派を代表するフランスの作曲家です。
彼の作品は「スイスの時計職人」と呼ばれるほど和音やリズムが精巧で、その完成度の高さは卓越していました。
それゆえ、一部の人にはラヴェルの音楽は冷たいととらえられることもあるようです。
また、ラヴェルは編曲の才能も優れており、有名なムソルグスキーのピアノ組曲「展覧会の絵」をオーケストラ用に編曲した作曲家でもあります。
この楽曲は多くの作曲家によって編曲されていますが、みなさんが普段よく耳にしている「展覧会の絵」は、ラヴェルが編曲したものである可能性が高いといっていいでしょう。
《ラヴェルの代表的な曲》
「ボレロ」「水の戯れ」「ダフニスとクロエ」など
ラヴェルの曲は和音やリズムが精巧で、編曲者としても優れていた
クラシック音楽の有名作曲家のまとめ
クラシック音楽は確かに昔の音楽ですが、今聴いても素晴らしいと思える普遍的な要素を秘めています。
そんなクラシック音楽を作ってきた代表的な作曲家を今回紹介しましたが、紹介しきれなかった魅力的な作曲家は他にもたくさん。
クラシック音楽は難しいもの、だなんて思わずに、いろいろな作曲家の楽曲を聴いてみてくださいね。
あなたのお気に入りの作曲家が見つかりますように!