ハイドンは「交響曲の父」と呼ばれるほど、数々の素晴らしい交響曲を生み出しました。
今回はその中でも、特に聴いてもらいたい交響曲5曲を厳選してご紹介します。
ぜひ、記事と一緒に音源も聴きながら楽しんでくださいね。
ハイドンの交響曲の中でもオススメを厳選して紹介!
・第45番「告別」
初期の交響曲の中でも代表作です。通常、交響曲の第4楽章は華やかに盛り上がって終わるのですが、この曲の第4楽章は途中で静かになります。しかも、演奏者が少しずつ退場していくのです。ハイドンは、エステルハージ家の音楽家として働いていました。ある年、侯爵が休暇を過ごすために楽団員たちと一緒に離宮に長期滞在していました。しかし、予定よりも滞在が長引き、楽団員たちは帰りたいという不満を募らせていきます。そのメッセージを伝えるために、ハイドンはこのような演出をしたのです。
- 演奏者が少しずつ退場していくという演出がある珍しい交響曲
- 楽団員たちの不満を交響曲で代弁したとされている!
現在の演奏会でも、曲の終盤で演奏者が舞台から立ち去る演出がされています。とてもユニークなので、ぜひ動画も観てくださいね。
・第94番「驚愕」
ハイドンの交響曲の中でも特に有名な作品です。第2楽章の途中で、急に大きな音が鳴り響きます。これが聴く人をびっくりさせることから、「驚愕」と呼ばれるようになりました。ハイドンが活躍していた当時、コンサートでのマナーが悪く、演奏中に居眠りするお客さんもいました。そこでハイドンは、居眠りしている人を起こすためにわざと大きな音を出すような曲にしたのです。
- クラシック演奏会にいがちなウトウトした聴衆を驚かせる曲
- ハイドンのいたずらな気持ちも伺えるのが面白い
ロンドンで初演された時、ハイドンの狙い通り、聴衆は驚いて顔を見合わせたと言われています。茶目っ気があって、面白いエピソードですよね。
・第100番「軍隊」
当時のヨーロッパ音楽界では、トルコの軍楽隊の音楽が伝わり、「トルコ風音楽」として流行していました。この曲でもトルコ軍楽隊の打楽器であったシンバル・トライアングル・バスドラムが使用されていることなどから、「軍隊」という呼び名が付きました。明るく軽やかで特に有名な第2楽章には、ハイドンが作曲した協奏曲の音楽が流用されているのです。原曲にアレンジを加えた上で、交響曲第100番の第2楽章となりました。
・第101番「時計」
第2楽章の伴奏が、時計の振り子をイメージさせることから、「時計」と呼ばれて愛されている曲です。規則正しい伴奏のリズムに乗って、弦楽器が美しいメロディを演奏します。他の楽章も美しいのですが、特にこの第2楽章は特徴的で可愛らしい印象を与えてくれます。
・第104番「ロンドン」
その呼び名の通り、ロンドンで作曲された交響曲の1つです。また、ハイドンが作曲した最後の交響曲でもあります。明るく堂々とした雰囲気にあふれ、ハイドンが作曲家人生で手に入れてきた作曲方法が詰め込まれた1曲です。
ハイドンはユニークな名前の交響曲が多い!
ハイドンの代表的な5つの交響曲について解説しました。
ユニークな呼び名の曲もあり、ハイドンの交響曲に対しての印象が変わった方もいるのではないでしょうか。
- 5つのユニークなハイドンの交響曲を紹介しました!
今回の記事がハイドンの交響曲を聴くきっかけになれば嬉しいです。