近現代のクラシック音楽作曲家を紹介!

    皆さんは近現代の作曲家と聞いて、誰を思い浮かべるでしょうか。

    古典派やロマン派音楽に比べると、近現代には馴染みがないと感じる方もいるかもしれません。

    しかし近現代は、前衛的な名曲が生まれ、音楽の新しい可能性が切りひらかれ、名曲も沢山生まれた時代でした。

    今回は、近現代の作曲家たち8人について解説します。それぞれの作風やエピソード、代表曲までご紹介していきましょう。

    知ってもらいたい日本人作曲家もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

    目次

    近現代を築き上げたクラシック作曲家を紹介!

    ・クロード・ドビュッシー(1862年~1937年 フランス生まれ)

    19世紀に主流だった感情表現のロマン派音楽を否定し、印象派という全く新しい音楽を打ち立てた作曲家です。

    それまでは使用されていなかった特徴的な和音を用い、雰囲気や感覚などを表現する独創的な作品を生み出しました。

    私生活では、ドビュッシーの浮気に悩んだ妻が自殺未遂を起こすという事件も起きています。

    幻想的なピアノ曲「月の光」は、ドビュッシーらしい美しさと優しさに包まれた明曲です。

    ・モーリス・ラヴェル(1875年~1937年 フランス生まれ)

    ドビュッシーと共にフランス印象派を代表する作曲家で、色彩を感じさせる新しい音楽を次々と生み出しました。

    パリ万博で異国の音楽に出会ったことや、母親がスペイン人であったことも作風に大きな影響を与えています。

    「オーケストラの魔術師」とも呼ばれ、それぞれの楽器の音色を生かした新鮮な響きのオーケストラ作品を残しました

    バレエ音楽「ボレロ」では、印象的な3拍子のメロディを様々な楽器が受け渡しながら徐々に盛り上がり、最後は壮大なクライマックスを迎えます。生涯独身でしたが、貴婦人から人気を集め、モダンな生活を好んだ人物でした。

    オーケストレーションの魔術師と呼ばれたラヴェルの悲劇的な最期とは

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    ・アルノルト・シェーンべルク(1874年~1951年 オーストリア生まれ)

    ユダヤ人の家庭に生まれ、幼いころから音楽の教育を受けて育ちました。

    10代で父親を亡くしてからは、銀行で働きながら音楽の勉強を続け、作曲活動を行います。

    それまでの伝統的な作曲法にとどまらず、調性を持たない無調の音楽を創作し、実験的な作品を発表します。しかし、シェーンベルクの作風はあまりにも前衛的だったので、当時の聴衆には受け入れられず、批判的な意見も受けました。歌集「月に憑かれたピエロ」は、そんな斬新な試みから生まれた傑作の1つです。

    ・セルゲイ・プロコフィエフ(1891年~1953年 ロシア生まれ)

    自身が優秀なピアニストであったこともあり、ピアノ作品を中心に多くの名曲を残しています。ロシア革命のためにアメリカへ亡命しますが、その際に日本にも滞在しています。関東や関西などを訪れたほか、ピアノリサイタルも開催しました。著名な西洋作曲家としては、初めて来日した人物です。40代でロシアに帰国した後も、作曲を続けています。激動の時代を生きたプロコフィエフの作風は多彩で、斬新さも感じさせながら抒情的な曲を多く残しています。傑作の1つとして、スピード感あふれる「ピアノ協奏曲第3番」が有名です。

    ・ジョージ・ガーシュウィン(1898年~1937年 アメリカ生まれ)

    ポピュラー音楽とクラシック音楽、両方のジャンルで活躍した作曲家です。ポピュラー音楽では、作詞家である兄アイラと組んでミュージカル音楽を創作するなど、数々の人気ソングを世に送り出しました。クラシック音楽での代表曲には「ラプソディ・イン・ブルー」があります。ジャズとクラシックを融合した画期的なこの作品は、ボストンへ向かう汽車の走る音に曲想を得て作曲されました。

    ・ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(1906年~1975年 ロシア生まれ)

    世界大戦が勃発する激動の時代を生きたことから、重々しく壮大な交響曲を残したことで知られています。一方で、ジャズの香りを感じさせる作品も残すなど、ポピュラー音楽を好んでいたという一面もあります。また、他の作曲家や自分の作品のメロディの一部を引用することも多々ありました。代表作の1つ「交響曲第5番」は、スピード感にあふれたエネルギッシュな作品で、「革命」の別名でも親しまれています。

    https://www.youtube.com/watch?v=sh936XImR_o

    時代に翻弄され続けた作曲家ショスタコーヴィッチ

    ・イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882年~1971年 ロシア生まれ)

    バレエ音楽「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」が、初期の代表作です。3曲とも、有名な芸術プロデューサーであったディアギレフから依頼されて作曲されました。

    中でも、「春の祭典」は、20世最高の作品とも言われています。

    特徴的なリズムを用いる原始主義時代に始まり、新古典主義など、作風を変えながら作曲活動を続けました。また、日本で活動していた武満徹の才能を見出したことで、武満が海外で活躍するきっかけを作りました。

    ・武満徹(1930年~1996年 日本生まれ)

    東京に生まれ、幼いころから箏曲などの音楽に親しんでいましたが、音楽大学には通わず、ほぼ独学で作曲法を身に付けました。前衛作曲家として、映画音楽や舞台音楽、大河ドラマの曲など様々な音楽を手掛けています。名指揮者、レナード・バーンスタインから邦楽器のための協奏曲を書いてほしいと依頼されたことから、代表作「ノヴェンバー・ステップス」が生まれます。尺八と琵琶とオーケストラという斬新な組み合わせのこの曲が成功したことで、世界的に評価されました。

    新たな西洋音楽を切り開いた近現代作曲家のまとめ

    今回は、クラシック音楽における近現代の作曲家たちについてご紹介しました。個性豊かな8人の作曲家たちについて、理解してもらえたと思います。

    今回ご紹介した8人の他にも、近現代の作曲家はたくさんいます。そして現在の日本にも、クラシック音楽の作曲家は活動中で、新しい曲が生み出され続けています。気になった方はぜひ探してみてくださいね。

    今回の記事が、近現代のクラシック音楽に親しむきっかけになれたら嬉しいです。

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