今回は、「朝」にまつわるクラシック音楽をご紹介します。
明るい一日を始めるのにぴったりな爽やかな曲から個性的な曲まで、朝を連想させる3曲について解説していきますね。
それでは見ていきましょう。
明るい1日を始めるのにぴったりな、朝のクラシック曲を紹介します。
朝のクラシックと言えばこれ!
・グリーグ作曲 「ペール・ギュント」より「朝」
イプセンの戯曲「ぺール・ギュント」のために、グリーグが作曲した1つがこの「朝」です。
フルートとオーボエのソロが奏でる美しいメロディが絶え間なく流れ、やがて音楽が盛り上がっていきます。
そして弦楽器たちが一斉に弾き始める時が、まさに太陽が顔を出して辺りを優しく照らし出す瞬間のようです。
曲の終盤には小鳥のさえずりのようなメロディも聴こえてきます。
とても爽やかで幸福感に満ちた、朝にぴったりの曲です。
グリーグ作曲の「朝」はフルートとオーボエのソロが美しく、朝に聴くのにおすすめ
・リスト作曲 「小鳥に説教する聖アッシジのフランチェスコ」
こちらは、朝に聴きたくなるような爽やかなピアノ曲です。
聖人フランチェスコが小鳥に対して、キリストの教えを説く様子を表現しています。
説教する、と言っても叱っているのではなく、キリスト教の内容を口頭で話している、という意味です。
にぎやかな小鳥のさえずりから曲が始まります。
低音のメロディがフランチェスコの言葉を表していて、次第に小鳥たちは静かにフランチェスコの言葉に耳を傾け始めます。
終盤に大きな盛り上がりをみせた後、シンプルで静かなメロディが続き、曲は締めくくられます。
フランチェスコの心の思いを表現した、とても美しい音楽です。
イタリアのアッシジで、裕福な家に生まれたフランチェスコは、奔放な生活を送っていました。
しかし、悔い改め、父親との縁を切り、質素な生活をしながら有名なキリスト教の修道士となりました。
フランチェスコは生き物に説教することで有名で、小鳥に説教するシーンは絵にもなっています。
・ラヴェル作曲 「鏡」より「道化師の朝の歌」
ピアノ組曲「鏡」の中の第4曲目です。
ラヴェルは、スペインに近いフランスのバスク地方に生まれました。
パリに移った後も、スペインの香りが漂うバスク地方を訪れていたラヴェルは、スペイン風のこの曲を作曲します。
道化師とは、いわばピエロや、おどけた役を演じる人のことです。
この曲では、道化師が朝帰りをする様子を、歌や踊りと共に表現されています。
途中の静かな部分は、道化師が女性を誘い出そうとする場面であり、道化師の寂しさや苛立ちなどが次々に音で表現されていきます。
ギターをつま弾くようなリズム、カスタネットの響き、鍵盤を駆け上がったり駆け下りたり、フラメンコのように情熱的な曲です。オーケストラ版にも編曲され、とても人気のある曲です。
朝のクラシック音楽~まとめ~
今回は、朝に関連するクラシック音楽をご紹介しました。
親しみやすい爽やかな曲から個性的な曲までご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。時間のある朝は、ぜひクラシック音楽を楽しんでみてくださいね。