オーボエが奏でるメロディーは、「女性の歌声に近い」とも言われています。
高音域が美しい印象ですが、音域により音色が変わることもオーボエの魅力の1つ。
- オーボエは女性の歌声に近いともいわれている楽器
- 高音域が美しいが、低音域も魅力たっぷり
低音域や中音域にもそれぞれ音色の特徴があります。今回はクラシック音楽で大活躍のオーボエの音域について解説します。
それでは見ていきましょう!
オーボエの音域について
オーボエが出せる1番低い音はピアノのドよりすぐ下のシ♭で、そこから3オクターブと少し音が出せると言われています。
しかし、一般的には、真ん中ドから2オクターブ上のドまでがよく使われており、オーケストラ曲やソロ曲ではその上のソまで出てくる場合もあります。
それよりも上の音を出すのは演奏者の技術しだいと言われていますが、曲中で出てくることはほとんどありません。
- オーボエは最低音が「シb」最高音は演奏者の技術次第
- 高音域は高くても最低音から2オクターブ上のソまでが一般的
音域によって音色が変わるオーボエ
また、オーボエは音域により音色が変わります。低音はくすんだ暗い音で怖いイメージがあり、中音域から高音域にかけての音色はオーボエの魅力を最大に引き出します。
オーボエの中音域
中音は悲しさやはかなさを表現することができ、高音域は明るく美しい音色になります。
中音域の哀愁漂う音色は、映画や劇中で物悲しいシーンを演出するためによく使用されています。
- オーボエの中音域は儚さを表現することが得意
音域の調整が難しい
音域の調整は難しく、低音や高音を出す場合は奏法だけではなくリードの調節も必要になります。
低音を出すにはある程度リードの開きが必要ですが、高音では閉じないといけません。そのため低音から高音にかけての移り変わりが非常に難しいです。
最低音であるシ♭を出すことも難しいですが、この音もほぼ曲中で使われることはありません。
- 最低音付近の音は難しいが、曲中で使われることはそう多くない
オーボエの低音域が目立つオーケストラ曲を紹介!
・オペラ『イーゴリ公』より韃靼人の踊り
アレクサンドル・ボロディン作曲のオペラ『イーゴリ公』の第2幕の曲です。
しんみりとした雰囲気で曲が始まり、ホルンやフルート、クラリネットへと憂愁を帯びた旋律がつながる中オーボエソロが始まります。
だんだん低音へと向かっていき、その旋律がイングリッシュホルンへと受け継がれます。イングリッシュホルンはオーボエの仲間楽器なので、こちらの音色にもご注目。
・ガブリエルのオーボエ
ガブリエルのオーボエは、1986年のイギリス映画「ミッション」の挿入曲です。
映画音楽家のエンニオ・モリコーネが作曲し世界中で大ヒットとなりました。
オーボエソロの音の跳躍が多く、聞いていて心地いいです。そして美しい高音のロングトーンにうっとりしてしまいます。フィギアスケートの安藤美姫選手も演技で使用し、さらに人気が広まりました。
オーボエの音域は実際には2オクターブがよく使われる
オーボエの音域について解説しました。オーボエの音域は3オクターブ程と広めですが、よく使われるのは2オクターブと少しです。
その中でも低音域と高音域の音色の違いを理解いただけたと思います。クラシック音楽のオーケストラ曲ではオーボエソロがよくありますので、音域での音色の違いにも注目してみてください。