現在、日本で使われているクラリネットは「ベーム式」と呼べれるものがほとんどです。しかしクラリネットにはもう1つの種類「エーラー式クラリネット」というものがあります。
でも聞きなれない言葉なので、「一体何が違うの?」と疑問に思う方も多いと思います。そこで、今回はエーラー式クラリネットについて詳しく解説します。
それでは見ていきましょう。
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エーラー式クラリネットとはドイツで生まれたクラリネットのこと
エーラー式クラリネットは別名「ドイツ管クラリネット」とも呼ばれています。ドイツ管と言うと、聞いたことがあるという方も多いのではないのでしょうか。
ではなぜドイツ管と呼ばれるかというと、エーラー式クラリネットはドイツで誕生したからです。
クラリネットは、元々「クラリーノ」と呼ばれキィが1つだけついている状態でドイツに誕生しました。そこに、ドイツ人のオスカル・エーラーがあらたにキィを取り付けたことにより、現在の姿になりました。
そのためエーラー式クラリネットと呼ばれるようになったのです。
現在も、ドイツやオーストラリアなどで多く使用されています。
エーラー式クラリネットの特徴
エーラー式クラリネットはベーム式に比べ運指が難しく、マウスピースやリガチャーが一回り小さいことが特徴です。
見分け方は、キィの数と小指部分にあります。
まず、キィの数はエーラー式クラリネットの方が多く複雑になっています。
そして両手の小指部分は、ベーム式ではキィが丸みを帯びているのに対し、エーラー式は平らになっており、小指の移動がスムーズにできるように間にローラーがついています。
エーラー式クラリネットの音色について
エーラー式クラリネットの音色は、暗めながら艶があり、渋い音色が魅力です。
現在、一般的に吹奏楽やソロでは音色に癖がないベーム式クラリネットが使用されていますが、個性が強いエーラー式クラリネットはプロや愛好家には好まれています。
オススメのエーラー式クラリネット
ヤマハ YCL-657
大手国産メーカー、ヤマハの楽器です。
キィとトーンホール以外はカスタムモデルと同じように設計されており、初心者の方にも手が出しやすい楽器になっています。
とてもコストパフォーマンスが高く、始めてエーラー式クラリネットを購入する方には1番オススメできるモデルです。
YCL-857Ⅱ
こちらは伝統的なドイツ管楽器の内径形状が採用されており、より本格的なエーラー式クラリネットです。
受注生産により1つひとつ作り出されており、その音色の奥深さからプロの奏者からも高い評価を受けている楽器です。
一般的なクラリネットとは違うエーラー式クラリネットのまとめ
エーラー式クラリネットは伝統があり、クラリネットを吹いている人にとって憧れの存在でもあります。
ベーム式に比べ難易度は高いですが、機会があればぜひ挑戦してみてください。
音色の違いを感じるだけでも楽しいので、一度ベーム式とエーラー式のクラリネットの聞き比べもしてみてくださいね。