オーケストラの指揮者は不要?その役割は?経験者が本音を暴露!

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こんにちは、今回はオーケストラや吹奏楽で指揮者が不要なんじゃないか?という声に回答していきたいと思います。

 

私は実際にオーケストラや吹奏楽に参加したこともあり、指揮を振ったこともあります。

 

その経験を基に、本音を暴露していきたいと思います。

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目次

結論:指揮者がいなくても曲は成り立ちます、でもそんな意味がないです。

今回は先に結論からです。

 

実際に、指揮者はいなくても曲というのは成立します。

 

コンサートマスターをはじめとしたアインザッツで奏者だけでも曲を最初から最後まで通すことは可能なのです。

曲が通ればいいじゃないか! そう思いましたか?

 

実はそうではないんです、理由を見ていきましょう。

 

曲が通るだけじゃダメ、指揮者は絶対に不要ではない

オーケストラや吹奏楽の合奏形態というのは基本的に50人以上の大編成で行われます。

そこのバンド全体がTuttiで音を鳴らしたとすれば、数十人が一斉に音を出していることになりますね。

 

せっかく50人もの人力を動かしてサウンドを作った音楽が、ただただ通るだけで満足しているようなものでそこに音楽の喜びなどを感じられるでしょうか?

指揮者がいなければ、奏者は「なんとかして曲を通す」ということに注力します。

しかし、大人数をまとめてくれる指揮者が存在していれば、曲を通す指示は指揮者に任せて、奏者たちは表現に注力することができるのです。

 

人間というのは人が多ければ多いほど、まとめるのは難しくなります。 これは音楽の世界にも同じことが言えます。

例1) 弦楽四重奏

例えば弦楽四重奏などを例にみてみましょう。

 

弦楽四重奏はヴァイオリン2本、ヴィオラ、チェロで構成される演奏形態のことです。

 

これらに指揮者は必要だと思いますか?答えは、この程度の規模であれば指揮者は不要です。

なぜかというと、合奏の声部が多くても4つであり、4本だからです。 

 

この程度であればわざわざ指揮者を用意して、まとめようとしなくても4人同士で息を合わせ、まとまった音楽を作ることができます

 

また、小規模アンサンブルはその手軽さが魅力であるのに指揮者を用意していたら大変ですね。

例2) 少人数オーケストラ・吹奏楽

では、50人との大規模とは行かない編成のオーケストラや吹奏楽を見てみましょう。

 

現代であれば、少子高齢化による人口減少による吹奏楽部などは30人ぐらいに中編成で活動しているところも多いのではないでしょうか。

 

この例をとってみますと、30人で指揮者は必要でしょうか?

 

答えは、必要です。

 

50人規模の合奏形態でないにしろ、吹奏楽というのはフルスコアが用意され、各楽器があらゆる役割を受け持ちます。(小編成オーケストラも同じです)

また、楽器ごとのセクションのまとまりも必要になってきますね。

 

もし指揮者がいなければ、クラリネットの奏者はクラリネットのトップに合わせることを意識します。 そしてクラリネットのトップは他の奏者のトップ同士とアインザッツをとっていくでしょう。

よく考えると、トップではない奏者同士はトップを経由して微妙なニュアンスを感じ取っていることになるのです。このラグは言うまでもなく演奏にいい影響を及ぼしません

 

それぞれの指針として指揮者が存在し、指揮者がいることによって音楽にまとまりが生まれるのです。

そして、指揮者は指揮者で音楽を更に彩ろうと指揮法を巧みに操ります。

 

これらの行為によって音楽というのは完成され、人々の心に届くようになっています。

ただし、50人以上の大編成の合奏形態でも指揮者が存在しない場合があります。

オーケストラで指揮者なしの例外的な音楽

それは、アンコールの時などです。

アンコールというのはそもそも、メインのプログラムの装飾的な役割にあり、音楽としても気軽に楽しめる内容のものが採用されます。

 

この場合は指揮者がいなくても(途中で離脱しても)成立し、それを許すぐらいの気軽な音楽の内容であるということです。

アンコールで交響曲が始まったりすることはないですよね

【経験】指揮をしてみるとわかる、いるといないの差

実際に指揮者を経験した上での体験談ですが、指揮者はとても難しいです。

というのも、50人ほども発音体がある集団を一人の自分という人間で統率しないといけないため、あらゆる能力が必要とされます。

そして指導してみると更にわかるのですが、指揮なしで合奏を通してもらった時と指揮有りで通してもらったときでは明らかに音楽の生き生きさが変わってきます。

指揮者というのは奏者との対談の役割もあるため、音に会話が生まれるのです。

例えば、スコアを徹底的に分析していった日の合奏と、いきなりスコアを渡された時の合奏ではまるで違います。

スコアを徹底的にアナリーゼした場合、明らかに表情が豊かになりこちらもその都度的確な指揮を降ることができます。

しかし、初見で指揮を任されると曲を通すのに精一杯ということが多発します。

もし指揮の経験がない方は率先してその機会を得てみてくださいね。

 

まとめ:指揮者は絶対に必要です。 不要な時は、音楽の内容が軽い場合

いかがでしたでしょうか、まともに音楽をしようとするのであれば指揮者が必要であることは分かっていただけましたでしょうか。

 

指揮者は最低限のまとまりを与えるだけでなく、それ以上に色彩をサウンドにもたらします。

 

指揮者によっても演奏は全くと言っていいほど異なっていくので、好きな曲を指揮者を比べて楽しむというのも是非やってみてください。

 

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