クラシック音楽の起源についてを解説!中世の〇〇が根源?

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古くからある「クラシック音楽」。

「クラシック」という言葉から「古典的」な音楽というのはなんとなくわかりますが、いったいいつ頃誕生したのでしょうか……?

今回は、そんなクラシック音楽がいつどうやって生まれたのか、起源についてわかりやすく解説します。

目次

クラシック音楽の起源は中世

クラシック音楽は「西洋音楽」とも呼ばれ、中世時代(8世紀頃)のヨーロッパで誕生したとされています。

しかし、その頃の音楽はまだ私たちのよく知る「クラシック音楽」とは程遠いものでした。

とても長い時代を経て、徐々になじみのある音楽へと成長していったのです。

それでは「クラシック音楽」が出来上がったとされる3つの時代を一緒に見ていきましょう!

クラシック音楽は中世ヨーロッパで誕生した

中世の時代(8世紀頃)

ヨーロッパ中世。

日本でいうと、奈良時代前後の遠い昔の時代です。

そんな時代に、クラシック音楽の根源ともいえる聖歌が生まれました。

当時のヨーロッパは、キリスト教会が権力を持っており、音楽も神のために作られていたのです。

中世ヨーロッパでは、キリスト教が権力を持っていて神のために聖歌が作られていた

クラシック音楽のはじまりはグレゴリオ聖歌から

クラシック音楽最古の音楽といわれているのが「グレゴリオ聖歌」です。

当時の教皇グレゴリウス一世が中心となり、ヨーロッパに点在していた聖歌を統一したとされていますが、明確な根拠はないようです。

神への祈りを唱えるうちに、言葉の抑揚が音楽的になっていったのではないかとのこと。

しかしこの頃の音楽は、無伴奏で単旋律(ひとつの旋律)を男声で歌うだけでした。

クラシック音楽最古の音楽はグレゴリオ聖歌で、無伴奏で単旋律を男声で歌うもの

音楽を後世へ残せる楽譜が誕生

中世の時代以前にも、もちろん「音楽」はあったと思われます。

しかし「グレゴリオ聖歌」以前の音楽には「楽譜」が存在しておらず、それ以上時代をさかのぼることができません。

これが「グレゴリオ聖歌」が最古の西洋音楽といわれている理由です。

この時代に楽譜が誕生したことで、それまで口頭で伝えていたであろう音楽を多くの人や後世に残せるようになったのです。

中世の時代に楽譜が誕生し、後世に音楽を残せるようになった

クラシックで使われる五線譜の原点ともなる「ネウマ譜」

現在使われている「五線譜」の元になったのが、この頃誕生した「ネウマ譜」と呼ばれる楽譜です。

初期の頃は、ひとつの線に音の高さが記されているだけでしたが、12世紀頃に四線で書かれるようになり、その後徐々に進化を遂げ、現代の五線譜へと発展していきました。

ネウマ譜とは、1〜4の線上に音の高さを記した現在の五線譜の元になったもの

単旋律から多声音楽へと進化

単旋律(モノフォニー)を歌うだけであったグレゴリオ聖歌も少しずつ変化していきました。

単旋律の対となる旋律が加えられ、徐々に多声音楽(ポリフォニー)へと進化していったのです。

多声音楽といっても、この頃はまだ主旋律を支えるものではなく、それぞれが主役のメロディーを歌うものでした。

この複数の旋律で歌うグレゴリオ聖歌のことを「オルガヌム」と呼びます。

単旋律だったグレゴリオ聖歌に対となる旋律が加えられ、多声音楽のオルガヌムに

ルネサンスの時代(15世紀頃)

強大な権力を持っていた教会の影響力もだんだんと弱くなっていき、やがてルネサンスの時代へ移ります。

中世時代に誕生した多声音楽が発展し、次第に楽器を使った楽曲も増え始めてきました。

ここでは、そんなルネサンス時代の音楽の変化とバロック時代への移り変わりを見ていきましょう。

ルネサンス時代には楽器を使った楽曲も作られるようになった

声楽がメインの音楽時代

ルネサンス前期の段階では、器楽があまり発達しておらず、無伴奏による宗教声楽がメインでした。

そんな声楽も「すべてのパートが主役のメロディーを歌う」という手法の時代がまだ続きます。

やがてルネサンス後期になると、ひとつの主旋律を他の音が支える和声音楽(ホモフォニー)へと進化していきました。

一方で金管楽器や鍵盤楽器などの楽器も誕生し、器楽曲も徐々に普及していったといわれています。

ルネサンス後期には、ひとつの主旋律を他の音が支える和声音楽(ホモフォニー)が誕生

「クラシック音楽の作曲家」の誕生

中世時代は「作曲家」と呼ばれる人たちはいませんでした。

作曲をする人は存在していましたが、その地位が確立されていなかったため、自分の作品だと主張することはなかったのです。

そのため、楽譜は残っていても、どこの誰が作曲したのかわからない曲が数多く存在しています。

それがルネサンス時代になると、芸術を意識しはじめた作り手たちが他人の曲と差別化を図るため、自分の作品に署名をはじめました。

これが「作曲家」の誕生です。

評判の良い人気の作曲家には、依頼が殺到したようですよ。

ルネサンス時代に、自分の楽曲作品に著名をはじめたのが作曲家の始まり

印刷技術が発達し楽譜がより身近なものに

16世紀頃になると、活版印刷の技術が発展し、印刷した楽譜の流通がはじまりました。

それまで、教会のものだけだった楽譜が一般にも出回り、音楽がより身近に親しまれるようになっていったのもこの時代。

また、音楽理論書なども出版されるようになりました。

16世紀に印刷した楽譜の流通が始まり、一般にも出回るようになった

バロックの時代(17世紀頃)

ルネサンス時代が終わり、時代はついにバロックの時代へと入っていきます。

いよいよ、私たちがよく知る「クラシック音楽」の時代の幕開けです。

神へのささげものだった音楽は、やがて王や貴族のために作られるようになり、優雅で豪華なイメージの音楽が主流になりました。

ルネサンス後期頃誕生した和声音楽(ホモフォニー)も、この時代により洗練され発展していきます。

貴族への献上品として、きらびやかな楽曲が多く作られたバロック時代。

しかし、このバロック時代を代表する音楽家バッハは、ルネサンス時代に発展した多声音楽(ポリフォニー)技法を使って「神にささげる教会音楽」を中心に作曲していました。

おおまかにバロック時代の音楽といっても、貴族のための「宮廷音楽」と、バッハの作った神のための「宗教音楽」に分かれているということですね。

バロック時代には貴族のための「宮廷音楽」と神のための「宗教音楽」の2種類が存在していた

オペラの誕生とともにはじまる

オペラとは、クラシック音楽を使った歌を中心に物語が進んでいく歌劇のことをいいます。

物語の内容を伝える「歌」という主役を引き立たせるため、楽器が伴奏で支えるという現代の音楽に近い表現方法になっていきました。

伴奏は弦楽器のみでしたが、やがて管楽器も加わり「オーケストラ」の原型ともいえる形態に進化していったようです。

上演のためのオペラハウスも建設され、王や貴族のために作られたオペラ音楽は、バロック時代のはじまりといわれています。

主役の歌を楽器が伴奏で支え物語が進んでいくオペラの誕生が、バロック時代の幕開け

楽器中心の楽曲が増えていった

主流だった声楽曲に加え、楽器の発展により器楽作品が増えていった時代でもあります。

オペラ歌曲の伴奏でしかなかった楽器ですが、バロック後期になると楽器の性能も向上し、より高度な演奏が可能になっていきました。

オルガンやチェンバロといった鍵盤楽器や、ヴァイオリンなどの弦楽器の音楽が多く作られ、中にはみなさんもきっと耳にしたことのある楽曲があるはずです。

バロック後期には、伴奏としてではない器楽単独の音楽が多く作られるようになった

今の「クラシック音楽」の原型ともいえる時代

そんなバロック時代も、バッハが亡くなった年に終わりを告げます

しかし、このバロック時代に作られた音楽のスタイルが、主に私たちが知る「クラシック音楽」の原型になっているともいえるでしょう。

これらの理論や技術が進化、多様化していき、その後のクラシック音楽の世界へと受け継がれていったのです。

バロック時代の音楽は、今のクラシック音楽の原型

まとめ:クラシック音楽の起源となった三つの時代

いかがでしたか?

今回は、クラシック音楽の起源ということで、主に3つの時代について紹介しました。

いしずえになる音楽(最古の楽譜)は中世時代に誕生し、それからとても長い年月を経て「クラシック音楽」のルーツが出来上がっていったというわけです。

それぞれの時代の特徴が色濃く現れる「クラシック音楽」。

興味が出たら、ぜひこれ以降の時代(古典派音楽〜)もチェックしてみてくださいね!

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